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『オブザデッド・マニアックス』 ~天動説から地動説への逆転~

読書感想文です。

記事タイトルの天動説云々は、こういうこと書く時にはかっこいい副題をつけるべしと昔読んだ本に書いてあったからです。

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)
(2011/06/17)
大樹 連司

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またガガガかよ!!

またガガガだよ!!!


あらすじ
級友たちを襲う死者の群れ……ほくそ笑む僕。

授業中、いつも妄想していた。もしも今、この学校をゾンビたちが襲ってくれたら――。
逃げ惑うクラスメイトたち、何もできずおろおろする先生……。ざまあ見ろ、最高だ!
ゾンビ映画ばかり観て現実と向き合えない高校生、丈二。
しかし、嫌々参加したクラスメイトとの夏の合宿で、本物のゾンビハザードが丈二とクラスメイトを襲う!
ボンクラでオタクな僕が、みんなを救ってヒーローになる!?  さらに学校一の美少女も思いのままに!? 
怨念じみた妄想が現実になったとき、待ち受けるのは天国か、それとも地獄か!?



※以下若干のネタバレあり。



まず始めに言っておくけれど、僕がこの小説を買ったのは、表紙の女の子の黒ストが破れていたから。それに尽きる。
だからこそいつもより大きい画像にした。

こういうのは、常態の方がいいらしい。

それでは感想に移る。

おおまかな内容としてはあらすじ通り……かと思いきや、そうでもなかった。
まあ、最後まであらすじの通りに進む物語なんて面白みがないから当然といえば当然。

しかしながらこの『オブザデッド・マニアックス』は中々予想外なところをつきつつも、それとなくわくわくする方向へ展開していく。

あらすじを見て、何人かの人(そもそもこのブログの読者は何人かしかいないとかなんとか)はある種厨二に通じるものを感じ取ったのでは。

>ボンクラでオタクな僕が、みんなを救ってヒーローになる!?

この部分。
当ブログ読者なら一度ならず少なくとも二、三度は妄想したことがあるはず。

教室にテロリストがやってきて、普段はだめだめな自分が果敢にもテロリストに立ち向かい、見事成敗するという妄想。
この際なぜテロリストがやってくるのか意味不明だが、その辺りは気にしなくてよろしい。

この『オブザデッド・マニアックス』はまさにそれを現実たらしめた作品である。
小説なのに現実たらしめたとはどういうことかと思わないでもないが、作中現実という意味で捉えてくれると助かる。

「ゾンビが出現してヒーローなりたいって思ってたら本当にゾンビが出現してヒーローなっちゃった!」

という、ボーマンダ展開

あらすじを見ればわかる通り、主人公は今時には珍しい高校生のゾンオタ。ガノタっぽく言うとゾノタ。
当然のごとく学級ではヒエラルキーの最下層。食事バランスガイドでいえば乳製品ポジ。
「ゾンビ出現して俺ヒーロー!」とか考えている時点で当然のことと言える。

主人公の他にも、ハブられたくなくて周りに迎合してる男子、控えめな女子等、スクールカースト下位層の人間が登場。

当然、普段から上位層にはイヤな目を見せられているわけだ。
特に、あらすじにも登場している「学校一の美少女」
この女がとてつもなくイヤなヤツなのである。
「コンクリートロードはやめた方がいいと思うぜ」とか言ってきそうなくらいヤなヤツ!
学校一の美少女というだけあって、当然スクールカーストの上位層。つまり主食ポジ(主食ポジと言いながら普段は男子たちのオカズなのだろうが……)
そして当然のごとくブロンドヘアー。ゾンビモノだと馬鹿=ブロンドは定説らしい。なんとなく納得してしまう。

このアマときたら、頭にくるというレベルではない。
何度ゾンビに噛まれろと思ったことか。

上から目線だわ、暴言吐くわ、感謝はしないわ、濡れたパンツ投げつけてくるわ……

蛮行は枚挙にいとまがない。
主人公ほか二名の下位層が頑張ってそのアマの手助けをしているのに、それが当然と言わんばかりの傍若無人ぶり。
●してやりたくなる。

しかし、ある時から事態は急変。

ゾンビモノらしくショッピングモールに立てこもった主人公たち。
ショッピングモールには、生き残った人たちが集う。
ゾンビが爆発的に増えた状況下では、頼れるのは本当に実力のある人間だけ。

つまり、これまで下位層とされてきた主人公ほか下位層の人間にスポットライトが当たるわけである。
誰もが中学生の頃に妄想した通りの神展開。

一方、美少女だけが取り柄のアマは一気に最下層へ。

ここに来て、一気に立場が逆転するわけだ。
主食と乳製品のポジションがある時を境に真逆になるというのだから大事だ。

この逆転劇、まさしく天動説が地動説に覆された瞬間を思わせないだろうか?
思わせないか。せっかくかっこいいタイトルつけたのに。

立場が逆転した主人公と美少女。
ややあって、美少女は主人公専属のペットになることに!!!

思わず唾を飲まんばかりの展開。そして唾を飲んだ先から溢れ出る涎が止まらない。

生意気な学園一の美少女が、僕のペットになるなんて!(ラノベにありそうなタイトル)

ペットと言われる以上は、当然あれやこれやを示唆されるわけです。
ショッピングモールの一画、主人公の部屋にとんでもない格好で佇む美少女オンザベッド。
しかも、さすがに立場をわきまえてか、なんとご主人様だの何だのと言ってくる。
なんということか。
そんな、ベッドで、そんな格好で、一体何をしようというのか!
しかも、どんなプレイをしてもいいらしい!?

読みながら思わず、「このままじゃオブザデッド・マニアックスじゃなくてオブザベッド・マニアックスだぞ!?」と思ってしまったのも無理からぬ話。

こんなことを書いていると「ゾンビはどこに行ったのか?」と言われかねないが、実際途中から「ゾンビはどこへ行ったのか?」という感じであるのも事実。
物語はまわりゾンビだらけという極限状態(?)の最中にあって、スクールカースト方面の話へとシフトしていく。

余談ながら、ガガガ文庫はスクールカーストを取り扱った良作が多いような気がする。
『AURA』『人類は衰退しました』『パニッシュメント』『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』etc..(媚

どちらかというと、この『オブザデッド・マニアックス』も、ゾンビよりそちらがメインな様子。
ゾンビモノが好きな人のための小説というよりかは、ゾンビモノが好きな人の小説といった感じ?
タイトル通り。

思いのほか長くなってしまったので、今回はこのあたりで。
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