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『クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門』 ~さらばシド・ヴィシャス~

読書感想文。

副題は上手く思いつかなかった。

クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)
(2011/11/30)
石川博品

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いい太腿だ。

ガガガ文庫じゃない!


博品石川プレゼンツ『脱・残念系ラブコメ』堂々スタート!

「中野太一さん。キング・オブ・クズであるあなたに、曽我野三姉妹を攻略していただきたいのでシテ」
――いつものように山背にくっついて屋上へ行った俺は、二六五五年から来た彼女、カマタリさんに出会った。
でも俺、恋愛とか、ムリ。死ぬ。しかもそのターゲットの一人ってウチの学校のNo.1美少女じゃん。
ムリ。死……ん? 「強くてニューゲーム」? ……俺、やるよ。クズだって……「モテたいんや!」
日本中の男子諸君に捧ぐ、最弱ラブコメ堂々登場!



「耳刈ネルリ」の石川博品新作品。
ネルリは読んでないが、『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』というタイトルの語呂の良さにはほとばしるEcstasyを感じる。
そのうち読みたい。


大方の人はあらすじから察することができるだろうがいわゆる最近流行りの残念系……
が、本作においてはタイトルにある通り、「クズ」だった主人公が「それなり」になる。
(これはどうでもいいことだが、当初「クズがみるみるそれなりにみる」というタイトルと見間違え、ストーカークズによる監視系ラノベと思い込んでいた)

軽妙な語り口の文体で隙あらば細かいネタをねじ込んでくるので読んでいて楽しい。
パンク厨の主人公、太一には「困った時には心の中でシド・ヴィシャスに相談する」という意味不明かつ画期的な習性があり、度々シド・ヴィシャスが登場。太一に助言をしてくれる。
この習性だけで太一の人間性が見えてくるというものだ。
気持ち悪いけどこういうやついるよなあとかこういうのあるよなあという愛着みたいなものが知らず知らずとわいてくる。

しかしながらこの太一クンも物語が進むとともに「それなり」になっていくわけで――終盤の振る舞いは「それなり」どころかもう完全にリア充のそれで――仮にこれが「それなり」だというなら、「それなり」のハードルの高さにくじける。
それくらい充実してる。

物語の進行とともに太一のコミュ力はベジータもかくやというほど上昇していき(ベジータだっけ……?)、シドとの仲も冷めていき……。

気付けば残念系小説を読んでいたはずが青春小説と化していた。
心の中でやたら突っ込んだりぼけたりするコミュ障特有の文体はだんだんとリア充文体に取って代わられ、なんだか読んでいて悲しくなった。

コミュ障だった友達がいつの間にかみんなの中心になってしまって自分は多くの友達の内の一人に過ぎなくなってしまった、そんな感覚。

リア充化してから、クズだった頃のキャラクターとしての魅力は消え去ってしまったようにさえ思われる。
尖りがあって自意識過剰だった頃の魅力的な彼はもういない……!

リア充には魅力がなくコミュ障にこそ真の魅力があるのではないか、そんな可能性を示唆してくれる小説でもあった。
是非そうであってほしいと思う。

クズなりコミュ障なりの視点から読んでみたら、何かしら感慨深いものがあるのではないかと思う。

読んだらモテるようになるという可能性もゼロではない。



次回は「カマタリさん式 就活入門」を書いてほしい。
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